障害児支援で3層の従事者研修創設
5.26 こども家庭庁「障害児支援における人材育成に関する検討会」
平成24の児童福祉法改正により、障害児支援を受けられる環境が大きく改善した一方、適切な運営、支援の質の確保が課題とされたことをうけ、支援の方向性等について議論が重ねられてきました。
こうした中で、令和5年「障害児通所支援に関する検討会」において、障害児支援における人材育成の体系構築に向けられた検討が急務となっていることが取りまとめられ、それをうけ今回の検討会が開催されました。
中間整理(案)
「研修体系の階層と期待される人材像の整理」として、
・障害児支援基礎・実践研修(仮)
・障害児支援リーダー研修(仮)
・障害児支援コア人材研修(仮)
の三階層による段階的な体系の必要性が提案されました。
障害児支援基礎・実践研修(仮)
対象像 | 期待される人材像 | |
障害児支援基礎・実践(Ⅰ) | 主に障害児支援に従事し始めた者 | 障害児支援の意義や対人支援における倫理的姿勢を理解し、こどもを主体とした支援を行う姿勢を持つことができる |
障害児支援基礎・実践(Ⅱ) | 主に1年目から3年目程度で、本人支援を中心とした役割を担う者 | ・対人支援における倫理的姿勢をもって、こどもを主体とした支援を行うことができる ・こどものライフステージを通じた発達と障害特性、発達の多様性を踏まえたアセスメントの基本的理解をし、「ひとりのこども」として、個々のニーズに応じた支援を行うことができる ・こどもを中心に支援を進めるうえで、家族支援、地域連携の重要性を理解する |
障害児支援リーダー研修(仮)
対象者像 | 事業所において、主にリーダー職や管理職等、中心的な役割を担う者 |
期待される人材像 | ・包括的なアセスメントに基づいて、個々こどもと家族の状態像等について考察し理解するとともに、個々のニーズに応じた支援が実践できる ・事業所内において、多職種連携をコーディナートするとともに、他の職員への助言を行うことができる等、チームアプローチにおける中心的役割を担うことができる ・こどもや家族の状況等に応じて、必要な関係機関と連携することができる |
障害児支援コア人材研修(仮)
対象者像 | 主に地域において、スーパーバイズを担う等。地域の中心的な役割を担う者 |
期待される人材像 | ・包括的なアセスメントに基づき、個々の状態等の理解やニーズに応じた支援の実践について、他の職員や他の事業所等へ助言等を行うとともに、事業所内の支援の質の向上に取り組むことができる ・地域の状況を把握した上で、関係機関との連携をマネジメントし、コンサルテーション等を行うことができるとともに、地域の障害児支援体制の整備に主体的に関わることができる ・柔軟な考え方をもって、課題を解決することや省察を実践に活かすことができる |
研修の本格実施に向けて
令和9年度以降の本格実施を見据え、段階的に本格実施を進めていくことが考えられています。