遺言書の書き方・要件について詳しく知る・公正証書遺言

遺言の種類 3公正証書遺言

メリット

  • 無効になる可能性が低い―公証人(裁判官や検事を経験した人)が作成するため
    • 公証人が相談に乗ってくれる
    • 紛争を避けることができる(正確な遺言書)
    • 体が不自由、高齢でも作成できる
    • 外出困難な場合、自宅や病院に出張してくれる
  • 信用性が高い
    • 印鑑登録証明書や免許証の提出のため、本人確認が厳格
    • 証人2人が立ち会う
  • 検認が不要

デメリット

  • 費用がかかる
    • 作成のための公証人への手数料
    • 取消、訂正の費用
    • 公証役場で紹介される証人(遺言者が証人を用意できない場合)の費用
  • 証人2人が必要
  • 遺言内容が知られる―公証人、証人の立会いのもと作成するため(守秘義務、秘密保持義務は課せられている=外部には漏れない)

作成手順

  • 遺言内容(文案)の作成
    • 遺言者は署名・押印だけなので、字数を気にせず作成できる
    • 公証人に相談することもできる
  • 書類の収集
  • 公証役場に予約
  • 公証人との打ち合わせ
    • 文案、書類、相続の内容を持参(メール、FAX,郵送可)
    • 公正証書遺言の文案の作成、修正(電話等)
    • 確定
  • 公証人から文案、費用の提示(1週間程度)
  • 作成日の確定・予約
    • 当日公証役場に出向く
    • 病気等で出向けない場合、病院や自宅に出張してもらう
  • 公証役場にて公正証書遺言の作成
    • 遺言者、証人2人の署名・押印
    • 費用の支払い
  • 公正証書遺言(正本・謄本)の受領
必要書類
必要書類
遺言者の本人確認のための書類マイナンバーカード、免許証など
遺言者の印鑑登録証明書発行後3か月以内のもの
証人の確認のための書類・住所、氏名、生年月日、職業のわかるメモ
・遺言者が証人を選任する場合
遺言者と相続人の続柄を示す戸籍謄本
遺言執行者の確認のための書類・住所、氏名、生年月日、職業のわかるメモ
・遺言者が遺言執行者を選任する場合
・遺言執行者が相続人の場合不要
直近の固定資産税納税通知書財産に不動産がある場合
金融資産の資料遺言書に記載する金融資産に関するもの
貸金庫の資料銀行名、支店名番号が分かる者もの
財産を相続人以外に遺贈する場合はその方の住民票法人の場合は履歴事項
  〃             遺贈する財産に関する資料
遺言者の実印

公証人とは

 法律の専門家。
司法試験合格者、法曹有資格者。または、多年にわたり法務に携わり、これに準ずる学識経験を有する者。

職務の管轄

  • 公証人は、自己が所属する法務局・地方法務局の管轄区以外では職務を行うことはできない
  • 遺言者は公正証書遺言をどこの公証役場でも作成できる=遺言者が居住している以外の管轄区にある公証役場で作成できる
  • 遺言者が病院や自宅で外出できない場合、公証人に出張を依頼する
  • 公正証書の原本は作成した公証役場に保管され、取消や訂正などは作成した公証役場に依頼する必要がある。
公証人法

第十七条 公証人の職務執行の区域は其の所属する法務局又は地方法務局の管轄区域に依る
第十八条 公証人は法務大臣の指定したる地に其の役場を設くへし
② 公証人は役場に於て其の職務を行ふことを要す但し事件の性質か之を許ささる場合又は法令に別段の定ある場合は此の限に在らす

証人

役割

 遺言者の同一性(人違いがないか)、正常な精神状態で作成されたか、手順に従って作成されたかを当日立会いのもと確認をする

要件

 特別な規定はないが、上記役割を果たす能力があると認められるもの

欠格事由

  • 未成年者
  • 推定相続人、推定相続人の配偶者や直系血族
  • 受遺者、受遺者の配偶者や直系血族
  • 公証人の配偶者、四親等内の親族、使用人、書記

行うこと

  • 立ち会い(公証人が出張する場合、証人も出張する)
  • 公証人が公正証書遺言の内容を読み上げるので、法定の手順に従って作成の手続きが進められていることを確認する
  • 間違いがなければ署名・押印
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