障害者雇用・1

法定雇用率引き上げ

 すべての事業主に、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。

 障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる「共生社会」実現のため。

 

・毎年6月1日時点での障害者雇用状況のハローワークへの報告義務

・障害者雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」専任の努力義務

障害者の雇用の促進等に関する法律

(事業主の責務)

5条 全て事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであって、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理並びに職業能力の開発及び向上に関する措置を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。

法定雇用率

令和6年4月令和8年7月
民間企業2.5%2.7%
対象事業主40.0人以上37.5人以上

除外率

除外率設定業種除外率
・非鉄金属第一次精錬 ・精製業 ・貨物運送取扱業(集配利用運送業を除く)5%
・建設業 ・鉄鋼業 ・道路貨物運送業 ・郵便業(信書便事業を含む)10%
・港湾運送業 ・警備業15%
・鉄道業 ・医療業 ・高等教育機関 ・介護老人保健施設 ・介護医療院20%
・林業(狩猟業を除く)25%
・金属鉱業 ・児童福祉事業30%
・特別支援学校(専ら視覚障害者に対する教育を行う学校を除く)35%
・石炭 ・亜炭工業40%
・道路旅客運送業 ・小学校45%
・幼稚園 ・幼保連携型認定こども園50%
・船員等による船舶運航等の事業」70%

算定方法

精神障害者の算定特例

 週所定労働時間が20時間以上30時間未満の精神障害者について、当分の間、雇用率、雇い入れからの期間等に関係なく、1カウントとして算定

週所定労働時間20時間未満の方の算定

 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定

助成金

新設・拡充

新設

・障害者雇用に関する相談援助を行う事業者から、原則無料で、雇い入れやその雇用継続を図るために必要な一連の雇用管理に関する相談援助を受けることができるようになる

・加齢により職場への適応が難しくなった方に、職務転換のための能力開発、業務の遂行に必要な者の配置や、設備・施設の設置等を行った場合の助成

拡充

 障害者介助等助成金や職場適応援助者助成金の拡充、職場実習・見学の受入れ助成など、障害者雇用の支援の強化

雇い入れた場合

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

概要

 高齢者や障碍者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して

支給要件
ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等↓の紹介により雇い入れること
(1)公共職業安定書(ハローワーク)
(2)地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
(3)適正な運用を期すことのできる有料・無料職業紹介事業者等
 特定地方公共団体、厚生労働大臣の許可を受けた有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、無料船員職業安定局長の定める項目のいずれにも同意する旨の届出を労働局長に提出している職業紹介事業者等
雇用保険一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。
※対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続するまで雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年いじょうであること
有期雇用労働者の場合―自動更新(本人が望む限りこうしんできること)のみ
※雇用契約書に「自動更新」の記載。「更新の有無を判断する更新条件が付されている場合は不可。
支給額
対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
短期労働者以外の者(1)高齢者(60歳以上)
母子家庭の母等
60万円
(50万円)
1年
(1年)
30万円×2期
(25万円×2期)
重度障害者等を除く身体・知的障害者120万円
(50万円)
2年
(1年)
30万円×4期
(25万円×2期)
重度障害者等240万円
(100万円)
3年
(1年6か月)
40万円×6期
(33万円×3期)
※第3期は34万円
短時間労働者(1)40万円
(30万円)
1年
(1年)
20万円×2期
(15万円×2期)
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害80万円
(30万円)
2年
(1年)
20万円×4期
(15万円×2期)
  • ()は中小企業事業主以外
  • 支給対象期ごとの支給額は、支給対象期に対象労働者が行った労働に対して支払った賃金額を上限とする
  • 雇い入れ事業主が、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に次の助成率を乗じた額(表の支給額を上限とする) 

  ・対象労働者が重度障害者等以外の者―1/3(中小企業事業主以外1/4)

  ・   〃  重度障害者等の場合 ―1/2( 〃       1/3)

特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース)

概要
(1)成長分野
 高齢者や障碍者等の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により雇い入れて「成長分野の業務」に従事させ、人材育成や職場定着に取り組む場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金を支給
「情報処理・通信技術者」または「その他の技術の職業」に該当する業務
「研究・技術の職業」に該当する業務
(2)人材育成
 未経験の就職困難者を、ハローワーク等の紹介により雇い入れて、人材開発支援助成金による人材育成を行い、賃上げを行った場合に、特定求職者雇用開発助成金の他のコースより高額の助成金を支給
支給要件
対象労働者種別対応するコース
障害者、60歳以上の者、母子家庭の母等 等特定就職困難者コース
発達障害者、難治性疾患患者発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
就職氷河期世代の者就職氷河期世代安定雇用実現コース
生活保護受給者、生活困窮者生活保護受給者等雇用開発コース
(1)成長分野
  • 対象労働者を、「成長分野等の業務」に従事させること
  • 対象労働者に対して、雇用管理改善または職業能力開発にかかる取組を行うこと
  • ❶及び❷に関すること等について記載した実施結果報告書を提出すること
(2)人材育成
  • 対象労働者が就労の経験のない職業に就くことを希望する者であること
  • 対象労働者を支給要領に定める人材開発支援助成金を活用した訓練を行い、当該訓練と関連した業務に従事させること
  • 毎月決まって支払われる賃金を雇い入れ日から3年以内に、雇い入れ日(試用期間がある場合は本採用後の日)の賃金と比べて5%以上引き上げられていること
対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
短時間労働者以外の者高齢者(60歳以上)
母子家庭の母等
就職氷河期世代の者
生活保護受給者等 等
90万円
(75万円)
1年
(1年)
45万円×2期
(37.5万円×2期)
身体・知的障害者
発達障害者
難治性疾患患者
180万円
(75万円)
2年
(1年)
45万円×4期
(37.5万円×2期)
重度障害者等360万円
(150万円)
3年
(1年6か月)
60万円×6期
(50万円×3期)
短時間労働者高齢者(60歳以上)
母子家庭の母等
生活保護受給者等 等
60万円
(45万円)
1年
(1年)
30万円×2期
(22.5万円×2期)
障害者
発達障害者
難治性疾患患者
120万円
(45万円)
2年
(1年)
30万円×4期
(22.5万円×2期)

 雇い入れ事業主が、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に次の助成率を乗じた額(表の支給額を上限とする) 

 ・対象労働者が重度障害者等以外の者の場合1/2(中小企業事業主以外3/8)

 ・対象労働者が重度障害者等の場合    3/4( 〃       1/2)