児童養護施設

児童養護施設とは

虐待、親の病気、経済的困窮などの事情により家庭で暮らすことができない子ども(原則2歳〜18歳)が、生活の場として入所する児童福祉施設です。児童福祉法に基づき、子どもの保護と、家庭環境の調整を含めた社会的養護を目的としています。

どんな仕事か(主な業務内容)

子どもたちの「親代わり」として、24時間の生活全般を支えるのが中心の業務です。

  • 生活支援:朝の起床、食事の提供・介助、登校の送り出し
  • 放課後の対応:宿題のチェック、遊びの相手、夕食、入浴介助、就寝準備
  • 夜間の見守り:宿直・夜勤による安全確認
  • その他:学校行事(参観日・三者面談)への出席、お小遣いの管理、進路相談(自立支援)

どんな人に向いているか

  • 子どもの傷つきに寄り添い、長期的な目線で成長を待てる根気強さがある人
  • 不規則なシフト勤務(夜勤・宿直、土日出勤)に対応できる体力と自己管理能力がある人
  • 感情的にならず、一貫した態度で子どもと信頼関係を築ける人
  • 医師、心理士、児童相談所など、多くの専門職とチームで連携して働ける人

開業について

個人の自宅で始める保育ママ等とは異なり、国や自治体の「社会的養育推進計画」に基づいて進められる大規模事業です。
原則として社会福祉法人・地方公共団体以外の新規参入はできません(株式会社等の一般法人による設置は認められていません)。

開業までの大まかな流れ

  • 社会福祉法人の設立
  • 自治体の公募への応募(自治体の計画枠に合致する必要あり)
  • 土地・建物の確保と建設(厳しい設備基準をクリアする建物)
  • 職員の大規模採用(施設長、保育士、児童指導員、栄養士、調理員など数十名)
  • 都道府県知事による設置認可
  • 事業開始(児童相談所の判断により子どもが順次入所)

必要書類(設置認可申請)

手続きは「設置認可申請」(児童福祉法第35条第4項)で、申請先は都道府県知事(政令市・中核市の場合は市長)です。

  • 社会福祉施設設置認可申請書
  • 法人の定款、登記事項証明書、資産証明書
  • 敷地および建物の不動産登記簿、平面図、配置図
  • 職員の配置計画書、履歴書、資格証明書の写し
  • 収支予算書、事業計画書、管理運営(シフト)の概要

研修・資格要件(スタッフ構成)

施設の規模(定員)に応じて、非常に多くの専門職の配置が法律で義務付けられています。

  • 施設長:社会福祉事業に一定以上の経験がある者
  • 児童指導員・保育士:子どもの人数に応じて多数配置(有資格者のみ)
  • 栄養士・調理員
  • 児童心理司(心理療法担当職員):公認心理師や臨床心理士など
  • 家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー):保護者との復職調整を行う専門職

子どもに対する配置基準は、幼児は「4人に対してスタッフ1人」、小学生以上は「5.5人に対してスタッフ1人」が目安です。

設置基準

項目基準の概要
居室1室あたり原則4人以下(近年は個室化が進んでいる)
面積児童1人あたり4.95㎡以上など、厳格に規定
必要な設備居室のほか、食堂、浴室、洗面所、便所、医務室、事務室、静養室、調理場、相談室、心理療法室など

費用感(予算目安)\

ゼロから土地を取得して建物を建てる場合、数億円規模の予算が必要です。

  • 開業費用の目安:約1億円〜5億円以上
  • 内訳:土地取得費、建築・設計費(バリアフリー対応、消防設備、厨房設備)、家具・家電・備品購入費、スタッフの採用・人件費

国の「社会福祉施設整備費補助金」等を活用することで、建設費の最大4分の3程度が国・自治体から補助される制度があります。