認可外保育

認可外保育施設(小規模)とは

国や自治体の「認可」を受けていないものの、児童福祉法に基づき都道府県や市区町村に届け出をして運営する保育施設のことです。

  • 特徴: 認可施設(家庭的保育など)と違い自治体からの基本運営費の補助はありませんが、開所時間や独自の保育サービス(夜間、英語教育、習い事など)を自由に設定できるのが大きなメリットです。
  • 対象: 原則として0歳〜就学前の乳幼児。

どんな仕事か(主な業務内容)

一般的な認可保育園や家庭的保育と、行う保育内容自体は大きく変わりません。

  • 主な業務: 登園・降園時の保護者対応、子どもの健康チェック、室内外での遊び、食事・おやつ・お昼寝の介助、排泄・おむつ替えのサポート。
  • 独自業務認可外は自分で利用料金を回収し、集客(マーケティング)も行うため、施設のPRや契約手続き、お便りの作成、SNS等での情報発信、会計業務なども開設者の重要な仕事になります。

どんな人に向いているか

  • 独自の保育理念や、ユニークなサービスを提供したい人(例:夜間対応、バイリンガル保育など)
  • ビジネス(経営)の視点を持ち、集客や運営を自分でコントロールしたい人
  • 保育の質だけでなく、保護者の細かなニーズに柔軟に応えたい人

開業について

① 開業までの大まかな流れ

  1. 事前相談: 物件を決める前に、自治体の保育担当課、消防署、保健所へ行き、基準を満たせるか確認。
  2. 物件の確保・内装工事: 消防法や衛生基準、指導監督基準に合わせて設備を整える。
  3. スタッフ採用・各種手配: 配置基準に沿った保育者の確保、損害賠償責任保険への加入。
  4. 開業・事業開始: 利用者の募集をスタート。
  5. 設置届の提出事業開始の日から1か月以内に、自治体へ「認可外保育施設設置届」を提出(法律上の義務)。
  6. 立入調査(監査): 開業後、自治体の担当者が基準を満たしているかチェックに来ます。

② 開業時の必要書類

事業開始後、1か月以内に自治体に提出する主な書類です。

  • 認可外保育施設設置届
  • 施設の平面図・設備配置図
  • 利用形態別・年齢別の料金表 / 利用契約書のひな形
  • 職員全員の資格証明書の写し(保育士証など)
  • 職員の勤務割表(シフト表)
  • 損害賠償責任保険の保険証券の写し
  • 保育安全計画(子どもの安全確保のための計画書、策定が義務化されています)

③ 研修要件(資格要件)

1日に預かる乳幼児の人数によって、必要な有資格者(保育士・看護師)の割合が変わります。

  • 1日の預かりが5人以下: 保育士資格の保有は「必須」とはされていませんが、自治体による「子育て支援員研修」などの受講や、同等の知識・経験を強く推奨されます。
  • 1日の預かりが6人以上19人以下: 職員全体の 3分の1以上が保育士または看護師 である必要があります。

④ 設置基準(認可外保育施設指導監督基準)

国が定める「指導監督基準」を満たす必要があります。

  • 保育室の面積: 乳幼児1人あたり 1.65平方メートル以上(2歳未満児を預かる場合はさらに寝具や安全スペースの配慮が必要)。
  • 職員配置基準
    • 0歳児:子ども3人に1人以上
    • 1〜2歳児:子ども6人に1人以上
    • ※常時2人以上の保育スタッフの配置が原則(子どもが1人のみの場合など一部例外あり)。
  • 設備・安全: 消火器や火災報知器の設置(消防署の検査が必要)、調理室と保育室の区画、適切な採光と換気。

⑤ 費用感(予算目安)

認可外の場合、自治体からの物件改修補助金が出ないことが多いため、全額自己負担となります。

  • 自宅の一部や、小さなマンションをそのまま使う場合約50万〜150万円
    • 内訳:消防設備(火災報知器など)の工事、ベビーゲート・マット、玩具、鍵付き書類棚、保険料。
  • テナントを借りて内装工事を行う場合約300万〜700万円以上
    • 内訳:物件の保証金、手洗い場や幼児用トイレの増設、内装・防音工事費。

💡 重要なポイント:無償化と「証明書」

認可外保育施設であっても、自治体の立入調査を受けて「指導監督基準を満たしている」と認められると、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」が交付されます。
これが交付されると、利用者の保育料が「幼児教育・保育の無償化」の対象になり、集客面で圧倒的に有利になります(証明書がない施設は無償化の対象外となります)。